トラックは中型以上になると装置の動作は油圧ではなく、圧縮エアーを使っています。
エアブレーキやクラッチ操作からシフトチェンジサポート、パーキングブレーキの作動などを圧縮エアーで動作させています。
初めて大型トラックを運転した時、ブレーキとシフトの軽さに驚いたのは私だけではないと思います。
今回は、その圧縮エアーについて、圧縮エアーとはどのような物なのか、メンテナンスは必要なのかについてお話します。
なぜ大型車両は油圧ではなく圧縮エアーなのか
普通車は油圧でブレーキを動作させています。
倍力装置で踏力を数倍程度に増大していますが、大型トラックは普通車と車両重量がまったく異なります。
さらに荷物を積めば、その重さは数十トンにもなり、停止の際には普通車とは比べものにならないほどの大きな制動力を必要とします。
大型トラックにおいて、油圧式では力不足となるため、エアブレーキが採用されています。
もちろん、油圧式であっても同等の制動力を得るのは技術的に不可能ではないのですが、
エアブレーキは構造がシンプルかつコストも安く済むというメリットがあり、
メンテナンス面でも油圧式のようにエア抜きをする必要がないので維持がしやすいと言われています。
エアブレーキの仕組み
各装置の動力源となる圧縮エアは、トラックに搭載されるエアタンクから供給されています。
エアタンクは圧縮エアーを作り出すことはできなので、コンプレッサーでエアーを送り込み圧縮エアーを作り出しています。
よって、エアで作動する装置が搭載されているトラックにはコンプレッサーも搭載されています。
エアタンク内が圧力低下すると、コンプレッサーが起動して圧縮エアの充填を行います。
トラック走行中は頻繁に稼働しますが、稼働することでコンプレッサーのパーツは摩耗し、経年劣化が生じます。
コンプレッサーは半永久的に使用できるものではなく、寿命が存在するパーツだとお考えください。
コンプレッサーが寿命に達した場合、圧縮エアの供給もできなくなりますので、エアタンクに充填された圧縮エアを使い切った時点でエア駆動の装置が停止します。
そうなると、ブレーキが動作しない、クラッチが切れない、シフトチェンジができないといった状態になります。
エアー装置の寿命について
コンプレッサーの耐久性は高く、頻繁に交換する部位ではありません。
エアエレメント・オイル・エアドライヤーの管理をしっかりと行っていれば、一般的には7~10年の耐用年数があると言われています。
コンプレッサーが作動すると経年劣化が生じるので、ブレーキを頻繁に使うなど、
圧縮エアーを頻繁に使うような運転をした場合は、コンプレッサーの寿命は早まります。
老朽化したトラックを維持するよりは、乗り換えた方が効率的な場合も
コンプレッサーは耐久性の高い装置と言われており、重要な役割を担っているため故障発生率は高くありません。
もし、そのようなコンプレッサーに故障が発生した場合は、まずは経年劣化が考えられます。
修理で直す事はできますが、コンプレッサーの故障はトラック本体も経年劣化が進み老朽化していると考える事もできます。
老朽化した車体は維持コストが増えます。
交換するパーツのコストもありますが、修理や整備でトラックが使用できない時間もコストとして含める必要があります。
業務で使用するトラックが使用できない事は、大きな損失を生むため、
老朽化したトラックを維持するよりは、乗り換えた方が効率的な場合も多く見受けられます。
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