車両の日常点検について

こんにちは、新年度が始まりました。
あっという間にゴールデンウィークもやって来ますね。

さて、今回は車両の点検についてお話したいと思います。
点検といっても、日常点検や車検などがあり混同されやすいですが、それぞれ違うものとなっています。

自動車の検査(車検)は、検査時点において自動車が安全・環境基準に適合しているか、必要最小限をチェックするもので車検査証の有効期間内の安全性を保証するものではありません。
日ごろの安全は、自動車ユーザーの責任において点検整備をおこない安全を継続的に確保することが法律で義務付けられております。

 

日常点検整備

トラックも乗用車も全ての自動車は、運行前にドライバー自身が車両を点検する必要がある事は皆さまもご存知だとは思います。
この点検を日常点検整備といい、これは法律で義務付けられています。

整備といってもタイヤのナットに緩みがあれば締め直したり、空気圧が低ければ空気を入れたり、クーラントが抜けていなか目視したりなど難しいものではありません。
異常とみられる箇所を発見した場合は整備工場で再確認と整備を行います。


日常点検の項目は国土交通省のHPでも公開されていますので
こちらをプリントアウトして活用しても良いと思います。
https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha/tenkenseibi/images/t1-2/tenken_ogatasya_2.pdf

 

定期点検整備

日常点検整備は常日頃から行う簡単な点検であるのに対し、定期点検整備は一定間隔ごとに行う少し大がかりな点検整備です。
これも日常点検と同じくドライバーの義務となっています。

■自家用乗用自動車は、1年ごとに26項目、2年ごとに56項目の点検整備が必要です。

■中小型トラックは6ヶ月ごとに22項目、12ヶ月ごとに82項目の点検整備が必要です。

■大型トラックに関しては、3ヶ月ごとに55項目、12ヶ月ごとに99項目の点検整備が必要です。

専門的な知識・技術も必要であり綱目も多いため、整備工場に依頼する事をオススメします。

 

整備管理者制度

自動車はユーザーに点検整備の義務がありますが、運送事業者等では、保有車両数が多かったり営業所が複数あるなど使用者が車両の管理するのが難しく、点検整備が曖昧になる可能性があります。

そのため、複数台保有するユーザーには整備管理者の選任が義務付けられています。
整備管理者は法令で定める資格要件を満たし、定期的な研修の受講が必要となります。

 

その他(点検が必要な箇所)

日常点検整備、定期点検整備を行うことにより、車両の安全性はある程度担保できますが、法令では定められていなくても、走行装置(トランスミッション/デフ/アクスル) などは車両火災につながるケースが多いため定期的に確認する事をお勧めします。

トランスミッション(含むオートマチックトランスミッション)

・トランスミッションオイル
・オイルフィルター
・オイルホース(オイルパイプ)
   →潤滑不良から焼き付きを発生、オイルが漏れ、高温部に触れて火災を起こします。

デファレンシャル

・デファレンシャルオイル
   →潤滑不良から焼き付きを発生、漏れたオイルや、オイルシールなどが発火して火災を起こします。

ホイールハブ

・ハブグリース
・ハブベアリング(ベアリングプレロード)
・ハブシール(ハブキャップ)
   →ハブベアリングが過熱、漏れたグリースや、ブレーキ液などが発火して、火災を起こします。

 

日々の点検と定期点検で安全な運行を!!

トラックを毎日安全に運行するには、日々の点検と3ヶ月、6ヶ月と定められた点検が必要になります。
その他にも走行装置の点検も必要と書きましたが、以前は、ホイルベアリングの分解点検とオーバーホールも必須項目になっていました。

しかし、平成7年の日米自動車交渉によりその義務が無くなり、その直後あたりから大型トラックやバスのホイル脱落やハブの破損が増え、車両火災発生の件数も増えています。

参考で国土交通省からの報告をご紹介します。
https://www.mlit.go.jp/common/001048641.pdf

国土交通省から火災の前兆や予兆を示すものについて、説明があったのでご紹介します。
以下の症状が感じられる場合は、念のため点検する事をお勧めします。

加速不良

・普段より加速感や力がなくなったと感じる。
・惰行時にブレーキがかかったように感じる。
・ブレーキの引きずりによるブレーキ過熱
・ハブベアリングの過熱

ブレーキの効き不良

・踏み込んだほどには、減速感が得られない。
・効き不良と同時に異臭がする。
・ブレーキの引きずりによるブレーキ過熱
・ハブベアリングの過熱

異常な振動

・ハンドル操作に異常な振動を感じる。
・急に乗り心地が悪くなったり、ハンドルを取られたりする。
・タイヤのパンク、バースト
・ハブベアリングの過熱

異音、異臭

・普段と異なる音が発生する。
・ゴムや樹脂が焼けたような臭いがただよう。
・各種機器類の異常発熱
・各種機器類の過熱による火災

白煙・黒煙

・白煙や黒煙がたちこめる。
・バックミラーに煙が写る。
・オイル漏れ、燃料漏れからの火災
・エンジン、ハブ、ブレーキ廻りからの火災

電気機器の不作動

・不作動や異常な作動を起こしたり、異音を発したりする。
・ヒューズが切れたりする。
・機器類の故障、ショート、過熱
・配線、スイッチ、リレーなどのショート、過熱

警告灯の点灯 (警報ブザーの吹鳴)

・走行中は点灯しない警告灯が点灯する。
・普段鳴らない警報ブザーが、鳴る。
・ブレーキの引きずり、各種異常の発生
・エンジンルーム火災警報装置の作動

 

如何でしたでしょうか。
もし当てはまる項目があった場合は、整備工場にて確認をする事をお勧めします。

弊社では翌日から乗れるトラックも多数在庫があります。
トラックの調子が悪い場合や、翌日どうしてもトラックが必要だった場合はご相談頂けれと思います。